あの丘で、シリウスに願いを
一足先に病院を出て、素知らぬ顔でのんびりと歩く。すると案の定、早足でまことがやってきた。

「あれ?翔太先生、どうしたんですか?」
「まこと。そんなにウキウキしてどこ行くの?」
「え?スタジアムに決まってるじゃないですか。
今日、オープン戦なんです」

まことがずっとそわそわしていた理由がまさかの“野球の試合”ということに、翔太は安堵した。

「あ、野球か。ビックリしたぁ。なるほど。
ね…それ、俺も行きたいな。野球観戦って行ったことないんだ」
「そうなんですか?でも、時間大丈夫ですか?」
「平気。洸平いるし。スタジアムなら近いからいざとなれば戻れるから」

翔太はまことと一緒に、スタジアム行きのバスに乗る。
まことが5時にこだわっていたのは、病院近くのバス停からスタジアム行きのバスに乗るためだった。

「そんなに楽しいの?」
「お祭りです。あんまり翔太先生向きじゃないと思うけど、楽しんだ者勝ちですからね。
周りにはファンの人がいっぱいいるので、最初は真似して応援して下さいね」



< 111 / 153 >

この作品をシェア

pagetop