あの丘で、シリウスに願いを
「まこと先生ー。俺のことそんなに見ないでよ。ごめんって。すごく美味しかったから止まらなかったんだよー」
「いえ、煮物のことはもういいんですけど」

まことは持ってきたおにぎりを口に運んだ。

「そうなの?いやぁ、それにしてもビックリしたよ。意外とまこと先生料理上手なんだねー。見かけとのギャップが…」
「男勝りで、ガサツってよく言われます。その通りなんですけど。家事は最低限しかできません。翔太先生は舌が肥えてるから、こんな素朴な味が珍しいだけですよ」
「イタリアンやフレンチも好きだけど、家庭料理って時々、無性に食べたくなるんだよ。俺もやっぱり日本人なんだなぁ。
あー食べ物の話してたら、お腹すいたなぁ。コンビニ行ってこよう。
まこと先生、ちょっと行ってくるからよろしく」

いうや否や白衣を翻して翔太は駆け出していく。


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