あの丘で、シリウスに願いを
思えば、翔太と二人て仕事は初めてだ。

シフトは翔太が組むのだが、まことが勤務の時は大抵水上と一緒だ。たぶん、まことが頼りないと思われているのだろう。
だから、翔太と二人でこんなに話をしたのも初めてだった。

今日は今のところ穏やかだ。

静かになった部屋で黙々と雑務に取り掛かった。





「まっことせんせー」

静かさを打ち破る突き抜けて明るい翔太の声に、ハッとなる。
まことは手にボールペンを握りしめたまま、うたた寝をしていたようだ。


「はいこれあげる。食べて頑張ろ」


翔太がコンビニの袋から取り出したのは、まことがお気に入りの唐揚げだった。


「え、あ、ありがとうございます」
「これ、好きだよね?よく食べてるもん」


小腹がすいた時に食べていたのを知られていたようだ。意外と部下をよく観察している。


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