あの丘で、シリウスに願いを
日本の古き良き文化を世界に発信するというコンセプトのショッピングモール。
高級和菓子店や呉服店などが立ち並んでいるが、赤や緑で店頭を上手く飾り付け、和風なテイストのクリスマスを演出しているのが、楽しい。場内を流れるクリスマスソングも和楽器の音でアレンジされていて、まさにここでしか味わえないクリスマスの様子に、まことの心のもやはいっぺんに吹き飛んだ。

ーー楽しそうだな。
目を輝かせているまこと。車内で少し機嫌を損ねてしまったが持ち直したようで、翔太はホッとする。


「あら、坊ちゃん!」

大星堂の店員の女性が、翔太に気づくと嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。

「こんにちは、みどりさん」
「あら?そちらの方は、『まこと』さんですね。いらっしゃいませ。『シリウス』の使い心地はいかがでしょうか?」

いきなり声をかけられて、まことはビックリした。

「覚えてて下さったんですか?」
「もちろんです。こちらは飛ぶように売れる商品じゃありませんから。ブルーをお買い上げいただきましたね」
「そうです。『シリウス』は、やっぱり最高です。もう手放せません」
「良かった!あの子もまことさんに買っていただけて幸せだわ」

彼女が、商品を大切に売っていることがよくわかる。



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