あの丘で、シリウスに願いを


「さてと。…そうね。クリスマスだし、赤にしようかな。色が白いからよく映えるし。
これ、着てみて」

そう言ってジュンがラックから一枚のワンピースを選び、まことに渡した。

「ワンピースなんて、着たことありません。しかも赤なんて絶対似合わないし。どうしてこんなことに。…私はベリヒルの夜景が見たかっただけなのに」

渡された深い赤色のワンピースを見て、まことは泣きそうなのか、はたまた怒っているのか…ひどく顔を歪ませた。

「…翔太は、いいヤツよ。軽薄にしてるけど、自分のことより人のことばかり。来るもの拒まず、去る者追わず。女の子にフラれたくらいでめげるヤツじゃないの。たぶんそれはただの口実で、あなたに特別な時間をプレゼントしようとしてるのよ。ただ、あなたが素直に受け入れなそうだから、フラれたなんて理由をつけただけ。
ね、せっかくなんだから、楽しんじゃいなさいよ?アイツなら、女の子なら誰もが一度は憧れるような、非現実的な目一杯ラグジュアリーな時間を作ってくれるわ」
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