マリッジ大作戦

『何で叔父さんがこの人との見合い話を持ってきたかは、謎だけど。雅榮家よりか劣るけど、財閥ではあるよ。まゆりさんに、一度聞いてみたら？？これから先も、こんな話は出てくるだろうし。三代目が亡くなって気持ちが変わっているかも知れないし。』

崇士の意見を聞き、確かにそうだと思ったため、瑛士はまゆりの元に向かった。

まゆりは、当時は雅榮家のこじんまりとした別棟でお手伝いさんもつけずに、一人暮らししていた。

『瑛士？！びっくりした、いらっしゃい。』

アポ無しできても、笑顔で迎え入れてくれる。
部屋の中は、雅榮家が贔屓にしているデザイナーの作品や自分のデザインの資料などがたくさんあり、アトリエの様な感じでいつきても、雅榮家が嫌いな訳じゃないんだなぁと思わせる。

招き入れてくれた玄関で、お風呂あがりのまゆりの愛用シャンプーの香りが鼻をかすめる。

堪らなくなり、まゆりを抱き締めて唇を奪った。
５年付き合っても、初な反応を見せるまゆりは、息を整えようと口をあけるが、その隙に舌をねじ込んでやると、途端に力が抜けるのが分かる。

『……はぁ。…ここ、玄関だよ。ベッドにいこうよ……。』