マリッジ大作戦
だが、その後雰囲気が一転する。
三代目が亡くなり、遺言状の話があったまゆりは、遺言状すら開けずに弁護士の前で破りすて相続権すら破棄してきたのだ。
三人いる孫にそれぞれに均等に割り与えられた相続額は、かなりのものであると予想される。兄二人は遺言状を開け、お金以外に譲り受けるものをしっかりと貰い、意志を継ぐようであったが、まゆりは意志さえも継がないとはなした。
その時、一瞬でも"相続すれば結婚できる"と考えてしまった自分がいたのだ。
『えっ…。今、なんて。』
『だから、相続しろよ。じいちゃんの遺産。』
『なんで?瑛士がそんなこというの??わたしの気持ち知ってるくせに!』
『わかってるけど…。』
『わかってない!!』
裸でいることも忘れ、ベッドから出ていこうとするのを阻止し、瑛士は乱暴に唇をかさねる。
甘い声が出始めるのを確認すると、唇が離れ至近距離で見つめた。
『まゆり、俺の身分と申し分ない身分を手にいれろ。』
この時、まゆり自身のことを心から欲しいと強く願ってしまい、熱いまなざしで見つめながらとんでもないことを言った自覚はある。
だが間違えた。
にらみつけ低い声で"どいて"と言われ、気まずそうに逃げ道を作った。
『…まゆり。』
『瑛士。瑛士に、そんなこと言われたくなかった。』
三代目が亡くなり、遺言状の話があったまゆりは、遺言状すら開けずに弁護士の前で破りすて相続権すら破棄してきたのだ。
三人いる孫にそれぞれに均等に割り与えられた相続額は、かなりのものであると予想される。兄二人は遺言状を開け、お金以外に譲り受けるものをしっかりと貰い、意志を継ぐようであったが、まゆりは意志さえも継がないとはなした。
その時、一瞬でも"相続すれば結婚できる"と考えてしまった自分がいたのだ。
『えっ…。今、なんて。』
『だから、相続しろよ。じいちゃんの遺産。』
『なんで?瑛士がそんなこというの??わたしの気持ち知ってるくせに!』
『わかってるけど…。』
『わかってない!!』
裸でいることも忘れ、ベッドから出ていこうとするのを阻止し、瑛士は乱暴に唇をかさねる。
甘い声が出始めるのを確認すると、唇が離れ至近距離で見つめた。
『まゆり、俺の身分と申し分ない身分を手にいれろ。』
この時、まゆり自身のことを心から欲しいと強く願ってしまい、熱いまなざしで見つめながらとんでもないことを言った自覚はある。
だが間違えた。
にらみつけ低い声で"どいて"と言われ、気まずそうに逃げ道を作った。
『…まゆり。』
『瑛士。瑛士に、そんなこと言われたくなかった。』