地獄船
「大丈夫だ綾。雪合戦は子鬼たちが頑張るはずだ。だから綾はとにかく当たらないように逃げていればいい」


「だけど、それじゃあ……」


綾が不安げな顔を俺に向ける。


俺は今までで最大の笑顔を浮かべた。


口角が上がり過ぎて少し気持ちが悪いかもしれないが、これが俺の精いっぱいの愛情表現だった。


「大丈夫だ綾。心配するな」


俺がそう言った時、子鬼たちは肉玉を作り終えた。


「お前ら位置につけ~」


鬼の声を合図にして、俺と綾は別れたのだった。
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