君の腋を舐めたい
「・・・フジオさん・・・・。」
「!?」
拮抗する緊張感が流れる中・・
高熱のせいで顔が紅潮して、
今にも倒れそうなリサちゃんが・・
藤村に向き合う・・。
「悪いなリサ。
部屋に行ったらまずは薬飲もうね。」
「お願いします・・もう・・
こんな事はやめてください・・。」
「・・大丈夫だよ・・・・。
親指から小指まで。君のその美しい脚を舐めさせてくれたら全て終わらせる。」
・・・え?・・・・!!?
「なっ・・リリリリリサ・・?」
私に背を向けて、
藤村と相対するリサちゃん。
目の前でナイフを持っている異常者に向かって抱きつく格好となって・・
リサちゃんが右手を奴の背に・・
左手を・・自らの背の後ろに持ってくる。
「リリリリサ・・部屋に入ってゆっくりやろうじゃないか・・。」
藤村の死角となった左手が私に向かって・・“ハンドサイン”を送ってくる・・。
人差し指、中指、薬指・・
“3”が作られた後、
人差し指、中指・・
“2”が作られて・・・
「フジオさん・・キス・・で・・
許して・・くれませんか・・?」
人差し指・・“1”が作られた瞬間、
リサちゃんがツンとつま先立ちになって・・藤村の顔に自らの顔を・・・
「リ・・・サ・・・・。」
・・・今だ!!!!!!!!
「!!!!!!!!!!!」
10mの境界線。
一気に間合いを詰める。
異常者でも・・口づけの瞬間はマナーを守って、ちゃんと目を閉じるんだね・・!?
「うぉらあぁぁぁ!!!!!」
「!!!!?」
リサちゃんが最後の力を振り絞って、藤村の体をドンッと押してしゃがみ込む。
ガラ空きとなったその土手っ腹に飛び膝蹴りを食らわす!!!
「オエッ・・・ガッ・・!!!」
「リサちゃん!すぐに部屋へ逃げて!!」
「はい・・・!」
藤村の手から滑り落ちた包丁を蹴り飛ばして遠ざけた後、
リサちゃんの体を抱えて306号室へ・・!!
「オェッ・・あぁ~~・・効いた・・。」
とにかくリサちゃんの安全さえ確保できれば・・こんな奴・・ぶっ殺・・