俺様外科医との甘い攻防戦
「律紀が女にだらしないのは、俺も知っていて。仕事を頑張っている遊び慣れていないような人が、律紀に騙されそうになっていると、もったいないなって思ってた」
これは東雲先生から聞いた話と、どことなく一致する。
『あまりにもかわいそうだと思った子には、救いの手を差し伸べているみたい』
とは、このことだろう。
「それで、端的に『東雲先生はきみが思っているような人じゃない』と伝えた」
「え……。あの、私にはひとことも……」
「ああ、そうだよな。そう思うと最初から……」
ひとり納得する久城先生に、不満を訴える。
「私、まだ全然わからなくて」
「ああ。俺、最初から陽葵に気があったんだよ」
「気?」
そうだったらいいな、と思う幻聴が聞こえている気がする。