俺様外科医との甘い攻防戦

「おっと、食事はもういいな」

 トレイをベッドからテーブルへ移動させ、改めて抱き締める。

「俺が看護師と仮眠室に行っていないと知って、安心した?」

 胸元に顔を押し付け、何度も顔を縦に動かす。
 声を出したら涙がこぼれそうなくらい、自分の中に不安があったのだと思い知る。

 手は優しく脇に入れられ、ベッドから下りて立ち上がる久城先生に抱き上げられる。
 私は子どもみたいに、しがみついた。

「久城、先生?」

「もう少しだけ。このまま」

 ドキドキはしているのに、離れ離れになった片割れを求めるように離れ難い。

 気持ちが通じ合ったから?
 それとも、肌を重ねたから?

「まずは、帰ろうか」

「……はい」
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