俺様外科医との甘い攻防戦

 驚くほど平等に時間は過ぎ去り、いつも通りの朝はやってくる。

 なんとかアラームに起こされ、慌ただしく準備をする。

 なんで二度寝しちゃったんだろう。
 ああ、理由は明白だ。思い出してはダメ。

 清々しい朝には似合わない、艶かしい情事が脳裏に蘇りそうになり、急いで頭から追い出す。

 それなのに、二度寝する羽目になった原因を作った張本人は、涼しい顔で三つ揃いのスーツを身につけ、私に手を伸ばす。

 慣れた仕草で顎に添えられた手は、いとも簡単に私の唇を奪う。

「ひゃあ」

 それだけで、通常運転に移そうとしている私の心をかき乱す。

「酷いな。恋人のキスに悲鳴をあげるとは」

「恋、人、には、違いないですが!」

 つくづく恋愛偏差値の差を感じ、久城先生を視界に入れないように支度を進める。
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