俺様外科医との甘い攻防戦
「俺、先に行くから」
「はい。お気をつけて」
玄関まで見送りについていくと、真面目な顔で宣言される。
「最善を尽くす。だからーー」
顎を持ち上げられ、ドキリとすると唇が触れる。
それだけで、同僚でいようとする気持ちは、恋人に逆戻りしてしまう。
背伸びをし腕を首に掛け、触れていただけだったものが深く絡み合うキスへと変わる。
顔を離すと、おでこを軽くぶつけられ、ぼやかれる。
「キスだけで、終わらなくなるだろ」
親指の腹で唇を拭う姿を見つめ「行けなくなるから、行くな」と、出ていくまでを見送る。
「私も、支度しないと」
声に出し、なんとか体を動かした。