俺様外科医との甘い攻防戦

「自分の気持ちに気づいたのは、随分後だ。気づいた後も、気持ちをセーブしないと」

「セーブ?」

 思っていたのとは違う単語に戸惑い、顔を見つめる。

「ああ、気持ちをただ漏れにしていたら、陽葵は逃げ出していたと思うな」

「それは、どういう……」

 唇が重なり、それは次第に深くなる。
 慌てて胸を叩き、息も絶え絶えに不平を訴える。

「キスで、誤魔化そうなんて」

 こちらは必死で訴えているのに。

 不平を聞いた久城先生は、真面目腐った顔をして言い連ねる。

「誤魔化してない。自覚した気持ちを陽葵に隠さなければ、こうなっていたという実践」

 頬を手で包み込まれ、顔を近づける久城先生から逃げられない。

 唇が触れそうになる距離で「好きだよ。陽葵。愛してる」と囁かれる。
 そのまま唇は重なり、キスの合間にも愛を囁かれる。

 その声は、だんだんと濡れて艶かしくなっていく。
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