プールのあとはお腹が減る。

「テメェっ、なんてことをっ!!」

悠介が隼人君に襲いかかる。悠介にとって拓真君はちょうど私と夏実のように、小学校のときからの親友だった。

悠介のパンチが隼人君に命中する。

雨はさらに激しさを増す。どこからか雷の音も聞こえ、弾丸のような雨粒が水面を波立たせる。

もう一発、悠介が殴ろうとしたとき、隼人君は悠介のおでこの辺りを何かで切った。

ナイフだ。

隼人君はパンツの中にフォールディングナイフを隠していた。

「間抜けな友達が死んでそんなに悔しいか!? え!?」

隼人君は狂ったように笑っていた。その目はぼんやりと全体を見つめ、挙動も落ち着かない。

「ダメだよ悠介っ!」
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