遺書
「これ、まだ続きがあったはずですよ」
「え?」
「私、昨日叔父さんが続きを書いていたんです。探偵の独白シーンを入れて最後にアッと言わせる展開にするって…」
「そんなはずない。先生はこれで終わりと言って原稿を僕に差し出したよ」
「でも、これだと叔父さんらしくない!叔父さんの小説は最後の一文で読者を惹きつける。だけど、この小説にはそれがないよ」
「そうかい?これでも十分だと思うけど?」

蛇島さんは雑誌を見て首を傾げるが、私は納得いかない。

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