遺書
「蓮見医院長、教えてください。叔父さんは、どこか悪かったのですか?例えば、認知症とか…」

私はこれまでの違和感を医院長に尋ねる。自信はないが、専門知識のない私にはこの言葉しか思いつかなかった。

「はい、高瀬透さんは若年性アルツハイマーでした」
「え?」
「薬で抑えていたけど、病気の進行が酷くて近々入院予定だったんですよ」
「そんな…」

院長の真実に私は言葉を失う。

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