お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
「最近、調子はどう?」
「えっと……まぁまぁですかね」
「そうか。今から出勤だから今度ゆっくり話を聞かせてよ。時間が合えば食事にでも行こう」
「お仕事前に足を止めさせてしまってごめんなさい。そうですね、今度ゆっく……」
「美月!」
運転席から顔を出し、名波先生と私の会話を止めたのは、車を取りに行っていた薫さんだった。
「美月ちゃん、行って。話はまた今度ね」
場の空気を読んだ名波先生が車に乗るようにと促す。
「あ、はい。お仕事頑張ってください。では」
ペコリと頭を下げて慌てて助手席へと乗り込んだ。
「ずいぶんと親しげに見えたがあの男は美月の知り合いか?」
「え? あ、はい」
少し待たせてしまったせいだろうか。バックミラー越しに見える薫さんの表情は苛立っているように見える。
「待たせてしまってすみませんでした」
「いや、それは構わないが。彼とはどういう知り合いなんだ?」
「あ、彼はうちの父の病院で外科医として働いていて顔見知りなんです。えっと、薫さんのお父様の手術にも父の助手として執刀したとても優秀な先生ですよ」
「そうか。ならばお礼を言わなくてはいけなかったな」
薫さんが名波先生のことに触れたのはそれが最後で、そこからはこれから夕食を食べに行くお店の話に話題が移り、それからは薫さんの機嫌が戻ったように思える。
薫さんが連れて来てくれたのは、なかなか予約が取れないことで有名な銀座にある会員制のフレンチレストランだった。
「えっと……まぁまぁですかね」
「そうか。今から出勤だから今度ゆっくり話を聞かせてよ。時間が合えば食事にでも行こう」
「お仕事前に足を止めさせてしまってごめんなさい。そうですね、今度ゆっく……」
「美月!」
運転席から顔を出し、名波先生と私の会話を止めたのは、車を取りに行っていた薫さんだった。
「美月ちゃん、行って。話はまた今度ね」
場の空気を読んだ名波先生が車に乗るようにと促す。
「あ、はい。お仕事頑張ってください。では」
ペコリと頭を下げて慌てて助手席へと乗り込んだ。
「ずいぶんと親しげに見えたがあの男は美月の知り合いか?」
「え? あ、はい」
少し待たせてしまったせいだろうか。バックミラー越しに見える薫さんの表情は苛立っているように見える。
「待たせてしまってすみませんでした」
「いや、それは構わないが。彼とはどういう知り合いなんだ?」
「あ、彼はうちの父の病院で外科医として働いていて顔見知りなんです。えっと、薫さんのお父様の手術にも父の助手として執刀したとても優秀な先生ですよ」
「そうか。ならばお礼を言わなくてはいけなかったな」
薫さんが名波先生のことに触れたのはそれが最後で、そこからはこれから夕食を食べに行くお店の話に話題が移り、それからは薫さんの機嫌が戻ったように思える。
薫さんが連れて来てくれたのは、なかなか予約が取れないことで有名な銀座にある会員制のフレンチレストランだった。