第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II



「こっちが砂糖でこっちが蜂蜜。好みで入れても良いですけど、このハーブティーはそのままで十分美味しく飲めますよ」



 カーラはそう言って大きめの砂糖の瓶と蜂蜜を見せ、それから全員分のカップにお茶を注ぐ。

 彼らは普段あまりハーブティーを飲むことはないらしく、物珍しそうに香りをかいでいる。


 アリシアは、受け取ったカップに口を付け、オレンジブロッサムティーを一口含む。


 柑橘類と花の甘い香りと、ほのかな苦味。

 このハーブは紅茶とブレンドするのも好きだが、カーラの言うように、そのままでも十分に美味しいハーブティーだ。

 隣で同じように飲んでいるディアナは、わずかに表情を明るくしている。

 柑橘系の香りには不安な気持ちを和らげる効果もあり、今のディアナにも丁度いいだろう。

 男たちからの評判も上々で、カーラも満更でもなさそうな様子だ。


 そんな中、アリシアはこっそり砂糖の瓶を手元に寄せる。

 そして──



「えっ、ちょっ……アリシア様何してるんですかっ!」


「何って、砂糖を入れたのよ」


「いやいや、にしたって入れすぎでしょ!?」



 カーラが素っ頓狂な声を上げるのも無理はない。アリシアは、スプーンに山盛りの砂糖をカップに入れていた。


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