第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II



「子どもの頃この国に来たときは、よくカイたちとこうやって遊んでいた」


「そうだったな!ロベルトとデュランは絶対に来たがらなかったが、お前だけは海に行こうと言えば付き合ってくれた」


「普通友好国の王子たちとは将来のことも考えて仲良くしておこうとするだろう。弟たち(あいつら)はそのあたりのこと何も考えてない」


「はは、子どもの頃から損得考えた上で行動していたのが実にお前らしいな!」



 カイはそう言ってから明るい笑い声を上げた。



(なんだかいいな、そういうの)



 目の前の二人がアリシアの知らない昔の話をしているのを見て、何だかうらやましいような寂しいような気持ちになる。


 アリシアは、婚約が決まる前からイルヴィスのことを「この国の第一王子」として顔と名前くらいは認識していた。

 しかし本当にただその程度で、彼がどのような人柄でどのような人生を歩んできたのかなんてほとんど知らなかった。


 きっと皆が言うように、「優秀だが冷淡な人物」なのだろうと疑わなかった。

 この世界が前世で読んだ少女漫画の世界で、彼がそのキャラクターだと気づいた後も、しばらくその印象は変わっていなかった。


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