君を輝かせるのは私だけ。

「…あれ、すみません。もしかしてずっとそこに座っててくれました?」

俺の手を掴んでるのに気づいたあおが俺を少し申し訳なさそうな、でも少し怒ってるような目で言う。

これは、

「振り払ってでもちゃんとソファにいてください!身体痛めたらどうするんですか!」

やっぱり。

「大丈夫だよ、変な姿勢してないから。」

その言葉に、

「…ありがとうございました。すみません。」

と素直に返ってきて驚く。

と、また少し睨まれる。

考えが読まれてんのかな。

健さんは特に今回のことには触れずに、

明日の練習の連絡とかをして部屋を出る。

リサちゃんはこの怪我どうしたの!って、

知らないふりをしながら、

あおのもう片方の手を手当てしてくれてて、

確かに、あおは知ってることを知ったら、

また申し訳なさそうにするだろうから、

これが最善なんだろうと健さん達に合わせることにした。

渉はソワソワしてるけど、

あおが少しスッキリした顔になってて安心したのか、

いつも通りにあおに話しかけている。

「じゃあ寝るぞ、渉帰るよ。あお今日は早く寝てね?お邪魔しました。」

ほんの少しあおは何か言いたげな顔をして、

「ありがとうございました、おやすみなさい」

といつもの顔になる。

…なんでも言ってくれたらいいのに。
< 101 / 235 >

この作品をシェア

pagetop