君を輝かせるのは私だけ。
「…あれ、すみません。もしかしてずっとそこに座っててくれました?」
俺の手を掴んでるのに気づいたあおが俺を少し申し訳なさそうな、でも少し怒ってるような目で言う。
これは、
「振り払ってでもちゃんとソファにいてください!身体痛めたらどうするんですか!」
やっぱり。
「大丈夫だよ、変な姿勢してないから。」
その言葉に、
「…ありがとうございました。すみません。」
と素直に返ってきて驚く。
と、また少し睨まれる。
考えが読まれてんのかな。
健さんは特に今回のことには触れずに、
明日の練習の連絡とかをして部屋を出る。
リサちゃんはこの怪我どうしたの!って、
知らないふりをしながら、
あおのもう片方の手を手当てしてくれてて、
確かに、あおは知ってることを知ったら、
また申し訳なさそうにするだろうから、
これが最善なんだろうと健さん達に合わせることにした。
渉はソワソワしてるけど、
あおが少しスッキリした顔になってて安心したのか、
いつも通りにあおに話しかけている。
「じゃあ寝るぞ、渉帰るよ。あお今日は早く寝てね?お邪魔しました。」
ほんの少しあおは何か言いたげな顔をして、
「ありがとうございました、おやすみなさい」
といつもの顔になる。
…なんでも言ってくれたらいいのに。