君を輝かせるのは私だけ。
第4章 決心

祐真side


あれからあおは特になにも言ってこず、

今まで通り。

あのトレーナーもいつも通り。

この合宿もいよいよあと数日。

またしばらくあおに会えなくなるな…

そんなことを休憩中にあおを見ながら考えていると、

「お兄ちゃん、この前ぶり!」

後ろから声がして振り向く。

由香がなんでここに?

そう思ってたのが伝わったのが由香が前を指差す。

「んー、勧誘?」

視線を動かせば、さす方向にはあおの姿。

あおが健さんと監督に挟まれて、

動揺した表情を見せている。

「勧誘って…」

「女子代表入りませんかって」

にっこり笑っていう由香になんで返せばいいかわからない。

あおが注目されるのも、

大好きなバレーができるのも、

正当な評価が受けられるのも、

めちゃくちゃ嬉しいことなのに。

どこか、離れて欲しくないというか、

自分たちだけのものであって欲しいような…

「少しは進展した?お母さん達心配してたよ?」

「…余計なお世話。」

視線があおから逸らせない。

ここから見てる感じではあおは拒んでるみたい。

でも健さんは複雑そう。

監督は勧めてるのかな。

どうすんだろ。
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