君を輝かせるのは私だけ。
「でもそんなん健さんも悪くないですよ!」

渉が出した声に、リサちゃんもうんうんと頷いてる。

「うん、俺もそう思うよ。それに健さんが責任感じたらそれこそあおが気にしそうだし。」

その言葉に健さんは少し驚きつつも笑って、

「ありがと…でも、」

「健さん気にするなら、メダル取りましょう。それが1番ですよ。」

俺の言葉に健さんは、目の色が変わって、

「確かに。それもそうだな。」

と自分の手のひらを握りながらいう。

うん、健さん、

あおはきっと健さんのせいなんてこれっぽっちも思ってないし、

メダル取れなかったらそれこそ健さんに対して申し訳ないって気持ちで押しつぶされるよ。

話をしながら作っていたご飯が完成したと同時に、

ソファの方からゴソゴソと音がして、

あおが立ち上がる。

「寝てた…あれ、おかえりなさい。あ、祐真さんこれすみません、ありがとうございます」

目を擦りながら、

ゆっくりあおがダイニングのほうにやってくる。

キッチンをのぞいてあおが固まる。

「え、祐真さん作ってくださったんですか?すみません、ありがとうございます。」

あおはそれで目が覚めたのかチャキチャキと動き始める。
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