君を輝かせるのは私だけ。
「集合。」
けんくんの声にみんな集まってきて、
けんくんは私のノートとタブレットを真ん中に置く。
「これ、莉緒が作った奴。で、これが俺の食事メニューと自主練メニュー。これもあいつが作ったもの。…各々見て考えて。」
監督さんもコーチ陣もその輪に加わってノートとタブレットに食いつく。
ちょっとまって、恥ずかしい!
誰にも見せる予定なんかなかったから、
自分の思うことをそのまま書き出してる。
プロの人が見たらそんなの、ただの落書き帳だよ!
そう思ってその場にいるのが耐え切れなくなってこっそりと体育館のフロアを出て、
自動販売機の前のソファに腰掛ける。
はぁ。本気かな。
「逃げたの?」
急に聞こえた声に驚いて顔を上げると、
宮本選手。
「練習は…」
「今はミーティングになってるよ。」
えっと抜け出したの?
私の言いたいことが分かったのか、笑いながら、
「俺は健さんに全面賛成だからね、君を連れ戻す役目を任されたわけ。」
その一言でミーティングの内容がわかる。
けんくん…本気なんだ。