君を輝かせるのは私だけ。

「なんで…今。」

「…次のオリンピック必ず取りたいからだよ。決まってる。」

次のオリンピックは4年後…

私だっていつかはスポーツトレーナーとして、大好きなバレーボールに関わって、

夢のまた夢だけど、オリンピックの舞台にトレーナーとして立てたらって思うけど…

「まだわたしには早いです…」

「何言ってるの。その次の4年後には健さんは現役で最前線でたたかってる保証はないよ。」

その一言は私の頭を金槌で殴ったような衝撃を与えた。

私は今年20になる。

目の前の彼は、一つ上だったはず。

そして、兄であるけんくんは、24歳。

四年後は28歳。

その四年後…32歳。

確かに32歳でも活躍する選手は沢山いるしまだまだだとも考えられる。

でもどこかで怪我をしたら?

確かに…4年後に怪我をしない保証はどこにもないけど、8年後に兄が日本のトップでバレーボールをしている保証もどこにもない。

「そっか、いつだって今しか無いんだ…」

横に立つ彼はふっと笑って、

「あお、俺らと頂点目指そうよ。」

煽るように私に向かっていう。

「よろしくお願いします!」

私は立ち上がってお辞儀をする。

けんくんに話さないと!

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