君を輝かせるのは私だけ。

…何か聞こえる。

遠いところにあった意識が浮上してくる。

「…おい、」

誰だろ。

けんくん?

「けん…くん、もう少し…」

それだけ口にして寝ようとしたら、

「あお。」

とストンと耳に落ちてくる綺麗な声に、

意識が覚醒する。

「っは!朝!?宮本選手!?すみません!」

私は慌てて机の上に広がったものを片付けて鞄にしまっていく。

「まだ7時。あと30分はみんな寝てるよ。体調は大丈夫なわけ?ここで寝てたら冷えたんじゃ無い?」

「大丈夫です!宮本選手は早起きですね。」

「今日は早く目が覚めたから飲み物買いに行こうとしたら昨日と同じとこにあおがいたから…」

あくびをしながら答える。

「それとさ、その呼び方なんとかならない?」

「え?」

呼び方…

「みんな最近さん付けじゃん、俺だけよそよそしいんだけど?」

あ…気にしてたのか…

「じゃあ宮本さんで…」

「却下。」

「は?」

「祐真でいい。」

私は整えた書類を落としそうになった。

なんと。

そんな馴れ馴れしく呼べるわけないでしょう。



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