君を輝かせるのは私だけ。
今日はミーティングだけ、だったけど、

少し身体を動かしたくて、

夕食までの自由時間の間、

今回も一緒になった栄養士の佐藤さんと打ち合わせをして、

終わった足で体育館に向かう。

ゆっくり扉を開けて、端に座って軽くストレッチをする。

よし、靴紐を結び直して立ち上がると同時に、

キーッと音がして、

訪問者。

目が合う。

すごく驚いてるのがわかって、

それから、訪問者は少し罰が悪そうに視線を彷徨わせる。

「オフ、なはずですけど?」

「…だよね。」

見つかって仕方ないと諦めようとした彼に声をかける。

「少し、くらいならいいですけど。…相手してもらえませんか?…祐真さん。」

「え、いいの?する!待って!」

祐真さんはまさかオッケーが出ると思ってなかったのか慌てて準備をしてくれる。

軽く二人でパスして、対人をしてると、

また同じ音がして、

今度は…

「やっぱお前らか。他に示しがつかねーだろ?」

なんて言いながらすぐに入ってきてストレッチを始めながら言うけんくん。

…ストレッチしてるし、けんくんだってやる気満々じゃん。

「ふふ、なんか、いいね、けんくん。」

私の言葉にけんくんは笑って、

「同じレベルのバレーバカでよかったな、莉緒。」

と返してくれる。

今までバレーを同じ熱でできたことがなかったから嬉しい。

「健さんいいとこ取りー!…あ。」

また静かに戸が少し空いて、

その隙間から覗いてたのは…
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