君を輝かせるのは私だけ。
「木村さん…」

私たちがここにいるのに驚いたのか、

「すみません、なんか落ち着かなくて休めって言われてるけど身体動かしたくなって…」

「渉!あおの相手譲ってやる!」

え!

祐真さんの言葉に私も木村さんもびっくり。

というか、渉?

いつのまに!

「いーと思うよ。渉自分の目で確かめてみな。」

けんくんまで…

「…お願いします。」

木村さんの小さな声。

こちらこそ、と返した声は自信がなくて少し震えてしまったと思う。

いつも通りにパスして、対人して、

それから少し休憩を挟んで、軽くスパイクを打って、

いつも通り…すぎ?

何かしたほうがいい?

私の焦りに、祐真さんもけんくんも大丈夫だって、の一言だけ。

ソワソワと落ち着きなく、結局3時間くらい身体を動かして、

クールダウンをした。

…ずっと木村さんの表情は読めない。

「…じゃあ、すみません別の集まりに…行ってきます。」

何か言った方がいいの?

でも何も言えなくて、

次の仕事に向けて体育館を後にする。

…これでいいのかな。


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