君を輝かせるのは私だけ。

しばらくそうしていたら、

「祐真さん、絶対メダル取ろうね。一番輝くメダル。」

「当たり前でしょ。勝利の女神がついてんだから。」

「なれるかな、勝利の女神。」

「なれるかな、じゃない。もうなってるよ。これから更にパワーアップして行くけどね。」

「女神様ってレベルアップするの?」

「するよ。知らないの?ゴリゴリになるよ。」

「それは、なんか、やだね。女神感ないね。」

「あおはどうなりたい?」

「私はみなさんが最高に輝くためのエネルギーになりたい。」

「うんうん、じゃあ俺は一等星だな。」

「…話繋がってた?今。」

「え?繋がってたでしょ?」

「えー、まぁいいや。祐真さんちょっと疲れちゃった。」

「うん、ゆっくり休みな。ここにいる。」

「あり…がと…」

あおはずっと涙を流しながら会話して疲れたのか、すっと夢の中に落ちて行く。

…夢がいい夢だといいな。

涙で赤く腫れぼったくなったまぶたに優しく口づけして、

あおの頬をつたう涙を拭う。

ゆっくり持ち上げて、

ベットに横にして、布団をかけて、

あおの手のひらを開かせる。

手のひらにくっきりとついた爪の跡。

悔しくて強く握りしめてついたであろうその跡は、赤く滲んでる。

渉にそっとメッセージを入れて、俺も少し眠りにつく。

手が痛くならないようにそっとその手をにぎって。

…1人じゃないよ。


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