君を輝かせるのは私だけ。

しばらくしてると小さなノックが聞こえて、

目をゆっくり開ける。

ヒソヒソと声が聞こえて、

入ってきた健さんとリサちゃん。

健さんはあおと俺を見て一瞬固まる。

「どーいう状況?」

あおを覗き込んで、

少し驚いた健さんが、

「泣いてた?」

「んー、俺がきた時は泣いてなかった。机の上に普通にデータ書き途中のあったからそれに集中しようとしてたんじゃないかな。」

「え?じゃあお前きた後に泣いたの?莉緒が?」

そんなに彼女は家族の前でも泣かないのだろうか。

健さんがすごく戸惑ってるみたいだし…

「えっと…」

俺はあおが寝るまでの経緯を説明する。

健さんはまた目を丸くして、

少し寂しそうに、

「そっか、祐真、ありがと。」

あおの髪を大切そうに撫でながらいう。

「手のひら、爪の跡がくっきりで血が滲んでて…」

「持ってきました、私やります!」

優しく握っていた手を離して手のひらを見せようとすると、

渉に送ったメッセージを見てくれたのかリサちゃんが消毒とかを出してくれる。

そーっと起こさないように手を離す…
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