君を輝かせるのは私だけ。

「……ん、」

手が離れたことで温もりが消えたのが気になったのか、

あおが寝返りを打って、

俺の方を向いて手を少し動かす。

…可愛い。

少したっても止まらない手に、

「祐真、手出してみて。」

健さんがいう。

…？

とりあえずまたあおのそばに手を添えると、

あおがその手を掴んで手が止まる。

え。可愛い。

可愛いすぎない？

俺が同意を求めるようにリサちゃんと健さんをみると、

リサちゃんは目をキラキラさせていて、

健さんは苦笑い。

「あーぁ、なんか兄としてはすごい複雑な気分。」

健さんの声に、

「いーじゃん、健さんは今までのあお独占してたじゃないですか！」

と小声で返すと、

「…小さい男だな！」

と笑いながら返される。

リサちゃんは反対の手だけをとりあえず治療してくれる。

「選手だけ集めて、アレ聞かせた。皆同じ顔してた、から、必ずあおにメダルかけよう。」

健さんが急に真剣なトーンになる。

「勝利の女神だからね。証明しましょう。」

しばらくの沈黙。