✻秘密は甘くて危険な味✻
秘密2.5 石川由依の秘密
「由依お嬢様、頼まれていたお写真で御座います」
「ありがとう」

制服に身を包み髪をブラッシングしていると、専属執事の小林が封筒を持って来た。
中身は頼んでいた写真。
私はベッドの上に座ると、封筒から写真を取り出しその場に広げる。

「何て美しいのかしら」

そこに写るのは2人の美少年。
短いマッシュヘアーに、長い前髪を横に流したお揃いの髪型。
艶のある黒髪がまた何とも言えない。
高校男児にもかかわらず、長い睫毛にくりくりと大きいブラックアイ。
白い肌に赤く熟れた林檎のような薄い唇。
160センチと言う子柄さ。
春と歩稀は誰もが認める美少年。
しかも、歩稀はゲイだとカミングアウトしたから、腐女子には嬉し過ぎる情報だわ。
2人は寮も同室で学校のクラスも一緒だと、同じ腐女子仲間から聞いた。

「何て素敵なシチュエーションなの。あの2人は絶対に出来てる筈よ」

1人ガッツポーズをする。
隠し撮りした写真の中に写る自然体な2人。
歩稀には嫌われてしまっているけど、いつか仲良くなってみせるんだから。
友達計画を立てながら、私は今日も写真を秘密のアルバムにしまう。
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