双子の貞子ちゃん 2
「きぃさんはな、俺の女神なんだよ。」
「俺の天使だ!!俺を助けてくれたんだ!!」
「優しくて、優しすぎる。」
「俺の怪我を手当てしてくれた時も優しかったぞ。前髪を分けてた姿も可愛かった!!」
「は!?なんだそれ!」
「いいだろ。あの時間は俺だけあの伊織さんを独り占めだった。」
「〜〜くそ!!俺だってな、寝てるきぃさんを眺めたことあるし!」
「寝顔だと!?写真ないのかよ!」
「撮るなんてことするかよ!!俺の記憶には鮮明にあるけどな!」
怒涛のように繰り返す会話
恥ずかしそうにそっぽを向いてた伊織に同情する。
「…俺も、寝顔見たけどな。」
手を掴まれ、至近距離で。
思えば、あの時かもしれない。
グッと心を掴まれたのは。
聞こえる律と樹の会話を聞きながら、思うのは伊織のことばかり。
今日、初めて戦っている姿を見た時、何故か伊織だと思った。