双子の貞子ちゃん 2
「私も麻里さん好きです。かっこいいですよね。」
東雲組でお手伝いをしている麻里さん
ショートヘアのさっぱりした人で、東雲の組員さんたちが陰でひそかに姉御と呼んでるほど。
本来ならば組員とは同等ぐらいの立場だし、年齢も27歳で、なんなら彼女より年上の組員がほとんどだけど、例えば組員が無意味な取っ組み合いをしていたら、すぐに飛んでいきその場を沈めることができる人
初めて見た時は大丈夫かなとヒヤヒヤしたのを覚えている。
「あれはかっこいいんじゃなくて、無鉄砲なだけ。正義感が強すぎなの。」
「ようするに心配なんだよね?そんな麻里さんが。」
「…うるさい。先に行ってるぞ。」
手に持ってた私のウィッグをシノの頭にぼすっと乱雑に乗せ、去っていく。
「…麻里さんはどんな感じなの?」
「んー、…基本うざそうにしてるけど、頼りにはしてるんじゃないか?……謙吾さんに番号もらってた時、大事そうに握りしめてたから。」