双子の貞子ちゃん 2
軽蔑の眼差しを向ける私
そんな私をフッと嘲笑うかのような笑みを浮かべ、気だるげに髪をかき上げ、
「まだガキには分かんねえよな。こんな奴に一度でもいいから泣かされてみたい女はたくさんいるんだよ。」
ぐりぐりぐりと頭を回す勢いで強めに撫でてくる謙吾さん
「そんなことしてるから、1番大事な女に相手にされないんですよ。」
ぐりぐりする謙吾さんの腕を掴んだのはシノ
おかげで頭から謙吾さんの手が離れ、少しクラクラする頭を落ち着かせる。
「あーはいはい。うるせえよ。」
「きぃ、教えてやるよ。…謙吾さんな、うちのお手伝いの麻里(まり)さんが好きなんだ。」
「えっ!?うそ!」
「マジマジ、なあ?謙吾さん」
「俺は伊織が1番だけどな。」
そう言って私のボサボサになった長い髪の毛をくいっと引っ張った。
謙吾さんに乱されたために私のウィッグは簡単に頭から滑り落ちていった。
「きぃが1番可愛いのは認めるけど。……麻里さん連れてくるぞ?」
「あー、それは勘弁。俺、あの子苦手なのー。」
その言葉とは裏腹な優しい顔の謙吾さん