双子の貞子ちゃん 2
遊佐さんの代の幹部たちには会ったことがなかったから、遊佐さんと桜さんしか知らなかった。
「涼ちゃんはねー、すっごいクールで冷たかったの!男子に対しても割とドライだけど、女子相手の時は、もう無視状態ね。」
桜さんが懐かしそうに話し、それに遊佐さんが相槌を打っている。
「なのに女が寄ってくるんだよ涼はー。イケメンはズルいよなー。」
「やっぱりモテモテだったんですね!」
キャッキャと騒ぐ3人を遠目に、横山さんは俺たち紅蓮に目をやる。
「華織様がどのような経緯でここに入ったのか、など、問いただすことはしませんが、これだけは言っておきます。」
「守るものがあればチームというのは何倍にも強くなる。姫の存在はもちろんですが、隣にいる仲間、大切な人。それを見失わないよう、ただそれだけです。」