双子の貞子ちゃん 2
「樹、こんなとこにいるのか。」
部屋から出てすぐのところに樹はフードを被って座っていた。
ただならないオーラを纏って。
目線の先には、あの女たち。
「樹ー、あっ!総長、お疲れ様です!」
律が軽快に階段を上ってきた。
「律ってば、樹をここに呼び出すくらい仲良くなったんだね!」
遥希がそう言うと、律は手を振って
「いやいや、呼び出したんじゃなくて、樹が今日来たいって言ったんですよ!」
「あ?でも、朝はお前、樹を呼びましたって言ってなかったか?」
「あー、あれはすみません!樹がそういうことにしろって言うんで。」
全員の視線が足元の樹にいく。
「……なに、別にいいじゃん。…………逆にお礼言って欲しいくらいだけど。」