双子の貞子ちゃん 2




「樹、こんなとこにいるのか。」


部屋から出てすぐのところに樹はフードを被って座っていた。



ただならないオーラを纏って。

目線の先には、あの女たち。



「樹ー、あっ!総長、お疲れ様です!」


律が軽快に階段を上ってきた。

「律ってば、樹をここに呼び出すくらい仲良くなったんだね!」


遥希がそう言うと、律は手を振って

「いやいや、呼び出したんじゃなくて、樹が今日来たいって言ったんですよ!」


「あ?でも、朝はお前、樹を呼びましたって言ってなかったか?」


「あー、あれはすみません!樹がそういうことにしろって言うんで。」



全員の視線が足元の樹にいく。




「……なに、別にいいじゃん。…………逆にお礼言って欲しいくらいだけど。」


< 75 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop