双子の貞子ちゃん 2
そう言って、携帯をいじりだした。
「おい樹〜、もう態度が悪いって!!すみません皆さん!何かあるみたいだったんで……、ダメですか?」
「いや、いい。」
俺は、ずっと女たちを見る樹のそばにしゃがみこみ
「樹、ありがとうな。お前のことは信用している。…何かあるんだろ?」
俺もそっちを見ていれば、女たちがこちらの視線に気づいた。
「…結構な手慣れだから、油断するなよ。」
「さんきゅ。」
ぽんぽんとフード越しに頭を軽く叩く。
「絶対、伊織さんは渡さないからな。」
その声は、微かに俺に届いた。