カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「これ……は……」

混乱して何から聞けばいいのかわからない。ここはどこなのか。ここに運んだのは彼なのか。そして、服を脱がせたのはまさか……。

困惑していると、男性は不遜な笑みを浮かべて、入口の柱に背をもたれた。

「安心してくれ。なにもしていない。服を脱がせる以外は」

つまり、服は脱がせたということか。

意識を失っていた間に見知らぬ男性に素肌を晒していただなんて。ショックすぎて再び気絶してしまいそうだ。

「救急車を呼ぼうか悩んだんだが、君が気を失った原因にすぐ気づくことができたから」

そう言って、奥のソファに置かれているコルセットを見やる。

どうやら男性は、コルセットが苦しくて倒れたのだとすぐさま見抜いたようだ。

「近代ヨーロッパではコルセットで内臓が圧迫されて倒れる女性も多かったらしい。まさか、現代日本でお目にかかれるとは思わなかったが」

からかうような笑顔を向けられ、清良は思わず目を伏せた。

恥ずかしいことだらけでどんな顔をすればいいのかわからない。

「君もこんな理由で倒れたとは公にしたくないだろうと思って、救急車は呼ばないでおいたんだが、あまりにも目を覚まさないから医者を呼ぼうかと考えていたところだ。ちょうど起きてくれて助かった」

どうやらずいぶん心配をかけてしまったようだ。

彼がどこかのお金持ちであることは想像するにかたくないが、わざわざこんな立派な部屋まで用意してくれるとは。

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