カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
裸を見られてしまったことはとんでもなく恥ずかしいが、それ以上に感謝の気持ちが大きい。

助けてくれたうえに、こちらの事情まで察してくれた。

「助けてくださって、ありがとうございます……」

身体を隠しつつ、ペコリとお辞儀をする。

男性は緩く笑みをたたえたまま、じっと清良を観察している。

サイドテーブルの脇にあるチェアを掴み、清良のほうに向けて置き直すと、悠然と腰を据えた。

「ここは劇場に併設されているVIPルームだ。まだ正式に開館する前でよかった、ちょうど部屋が空いていたから」

わざわざ自分のためにVIPルームを開放してくれたのだろうか。

申し訳ない気持ちでいっぱいになる。だが、そんな上等な部屋を手配できる彼は何者だろう……?

観劇中、ホールの外にいたことを考えても、招待客ではなく招く側の人間だと思って間違いないだろう。

推理した末、行き着いた人物像にさぁっと背筋が冷たくなる。

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