カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「誰だ?」

「院瀬見鞠花様です。社長の奥様のご友人であるとおっしゃっているのですが――」

「ほう」

あのワガママお嬢様か、と総司は目を細める。

今さら自分のもとに来るとは。一体何の用があるというのだろう。

「用件は?」

「奥様のことで大切なお話があると。詳しい内容は社長にしか話せないとおっしゃっています。お断りはしたのですが、どうしても待たせてほしいということだったので、一応応接室にお通ししたのですが……いかがされますか?」

わざわざ時間を割くほどの相手か?

脇に立っていた真鍋が「私が対応いたしましょうか?」と気を利かせたが、総司は「いや」と断った。

以前顔を合わせたとき、あれだけ派手にプライドを打ち砕いてやったのに、この期に及んでどんな話を持ち掛けてくるのか興味をそそられる。

もしもくだらない内容であれば、父親である院瀬見議員に貸しひとつだな。そう心中で毒づいて「ここへ呼んでくれ」と命じた。

部屋にいた役員や秘書たちを払い、真鍋とふたりで鞠花を待つ。

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