カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
それでも今の清良には希望がある。彼が帰ってくる次の日曜日を堂々と心待ちにすることができる。

リビングに戻ると、部屋の隅に掃除機が立てかけられていた。昨日使っている途中だったのだが、北村が訪れたことで掃除どころではなくなり、慌ててここに立てかけたのだ。

続きをしようとスイッチを入れる。リビングを丹念に掃除しながらも、心はずっと来週のことを考えていた。

(……夕食、どうしようかな。何が食べたいか総司さんに聞いておけばよかった。日にちが近くなったら、お花を買いに行くのもいいかも)

総司に喜んでもらうためにやりたいことがたくさんある。

寂しさの中に愛されている実感があって、今の清良は確かに幸せだった。



総司が贈ってくれたラベンダー色のブラウスに、オフホワイトのスカートを合わせて上品に。バッグやパンプスも総司セレクト。髪はお気に入りのビジューのヘアアクセを使ってハーフアップスタイル。

その日、出社した清良は、すっかり夫好みに染められていた。

愛されることで内面にも変化が起きたのだろう、表情も晴れやかで笑顔が輝いている。

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