カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
だが、現状余裕を作ろうにも、どうやったって時間が足りない。物理的に。

結局のところ、解決方法は総司の負荷を分散するしかない。

こればっかりは総司の采配次第。これまで幾度となく説得してきたが、彼は頑なに他人に仕事を任せようとはしなかった。

それが今はどうだ。誰がなんと言おうと自分を曲げることのない絶対君主的経営者を言いくるめることに成功したのが、まさかあの可愛らしい若奥様だとは。

これぞ北風と太陽。総司の凍てついた心を溶かすことができたのは、あのどこか気弱で可憐な奥様の愛だったということか。まさに美談。

「至急、各地域に経営管理チームを招集させます。ひとまずロンドンに管理責任者を呼び寄せますので、直接ご指示いただくのが一番かと――」

「それと、調べてもらいたいことがある」

「……はい?」

どうやら彼にとって後継の育成以上に重要な話題があるらしい。早々と切り上げて、次の話題にシフトする。

話によると、妻が退職を考えているようだが、どうも動機が腑に落ちないという。

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