カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
彼女はなぜ自分を目の敵にするのか。なぜこんなにも彼女から憎まれなければならないのか。

「どうしてなの……? どうしてそんなに私のことを……?」

呆然と清良が呟くと、今さらとでもいうように鞠花が憤慨した。

「生意気なのよ! なんにも持たない貧乏人のくせに、ちやほやされて舞い上がって!」

鞠花が鬼の形相で近づいてきて、乱暴に腕を掴んだ。その剣幕に清良はびくりと身体を震わせる。

「子どものときからずっとそう! あんたは、私の面倒を見る振りをして優越感に浸っていたじゃない! 私を友達のいない可哀想な子だとでも思っていたんでしょう!? あんたの両親もそうよ! 私を憐れんだ目で見て……!」

「そんなこと……」

可哀想だなんて思ったことはなかった。友達がいないも何も、作ろうとしなかったのは鞠花ではないか。

彼女は自分から同級生たちを遠ざけていた。わざと相手の目の前で悪口を言い、拒絶するような態度をとって。

間を取り持つ清良はそれこそ大変だった。鞠花のためにクラスメイトに頭を下げて回ったり、フォローを入れたり。

結果、清良は生意気な鞠花の面倒を見る優しい子と認知され、友達がたくさんできたのだけれど。

……まさか。鞠花は友達の多い清良のことを羨んでいたのだろうか。

(もしかして鞠花は、友達が欲しかったの……?)

< 230 / 262 >

この作品をシェア

pagetop