カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「鞠花さん。先日は私どもの会社をお訪ねくださり、ありがとうございました。それから、大切なご忠告も」

総司の嫌味な微笑の意味が清良にはさっぱりわからなかったが、鞠花や議員には通じたらしく、各々表情を固まらせている。

「話は聞いた。鞠花。突然城ケ崎さんのもとに押しかけて、脅すようなことをしたそうじゃないか」

議員の言葉に、鞠花の顔からざっと血の気が引く。その件について初耳だった清良も、呆然として息を呑んだ。

「ち、違うわ! 脅してなんて……私は単に助言をしただけで……」

否定する言葉に被せて、総司が毅然とした声で鞠花を批判する。

「恐れ入りますが院瀬見議員。お嬢様の行動は目にあまります。そもそも、替え玉を使った社交など許されることではない。私だけではなく、気分を害された方が他にも大勢いることでしょう」

鞠花は言い訳もできず、その場で凍りついている。代わりに議員が「本当に申し訳なかった」と頭を下げた。

「清良ちゃんにもたくさん迷惑をかけたそうだね。小さい頃から世話になっていたのに。本当にすまなかった」

突然謝られた清良は、訳もわからずかぶりをふる。

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