カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「いえ。私のほうこそ……」

思わず頭を下げてしまったのは、鞠花の自由奔放な行いを許してしまった自分にも罪があるような気がしたから。友人として他にできることがあったのではと、悔やんでいるからだ。

「なんのお役にも立てず、申し訳ありませんでした」

頭を下げるふたりを見て、鞠花はチッと舌打ちする。

こんなはずではない、彼女が描いていたのは、清良を一方的に断罪する場――まさか自分が槍玉に挙げられるとは思いもしなかったのだろう。

「なんなのよ……!」

不条理だとでもいうように毒づいた。恨みのこもった目で総司を睨みつける。

「一体父に何を言ったの!?」

その質問に答えたのは総司ではなく、意外なところから聞こえた声だった。

「俺がすべてをお話しした」

きちんとしたスーツに身を包んだ茶髪の青年。総司の陰からひょっこり顔を出した彼を見て、鞠花は驚きの声を上げる。

「北村……!」

「鞠花の指示を受けて、天羽さんが不倫をしていると疑われるよう偽装工作をしたことも。それから、週刊誌の記事を捏造して、嘘の情報を流したことも」

その言葉に、議員は自分の娘の罪の重さを、そして自分の教育が間違っていたことを痛感したのだろう。沈鬱な面持ちで目を伏せる。

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