カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
そうだ、両親にも。ふたりにはきっと中国茶と茶器がいい。

総司の両親には何がいいだろうか。明日、マーケットをぶらつきながら総司と相談してみよう。

うきうきと心を躍らせていると。

「そうだ。清良にチャイナドレスを買ってやらないとな」

親切というよりは下心のようで、不敵な笑みを浮かべて総司は言う。

「……嬉しいですが、それ、いつ着ればいいんでしょう?」

当然だが、香港だからといって街中をチャイナドレスで歩いている人はほぼいない。恐る恐る総司の顔を覗き込んでみると。

「明日の夜、俺の前で着てくれ。脱がすのが今から楽しみだ」

「脱がす前提で買わないでください……!」

記念に一着くらいあっても可愛いかも、という甘い考えがちらりと脳裏をよぎったが、身の危険を感じ辞退することにした。

「総司さんは、どこか行きたい場所とか……ありませんか?」

仕事でしょっちゅう海外を飛び回っている総司に観光したい場所などないのではないか――そう思いつつも一応質問してみる。

総司はふんわりと目元を緩め、予想通りの言葉を口にした。

「清良の笑顔を見られるなら、どこでもいい」

「……私だって、総司さんの笑顔を見たいんですが」

「だったらせいぜい自分を楽しませることだ」


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