カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「さ。実家に着いたよ」

総司がハンドルを切る。目の前には、鞠花のお屋敷とは比べ物にならないほどの大豪邸がそびえ立っていた。

総司の両親へ初めての挨拶をしたときに、一度だけ訪れたことがある。

お金持ちの家というものは、院瀬見家のお屋敷で見慣れているつもりだったけれど、敷地も使用人の数も桁外れで度肝を抜かれた。

「うちに来ると、いつも清良は猫背になるな」

総司に笑われて、慌てて背筋を伸ばした。

引け目を感じたとしても表に出してはいけない。仮にも、この家の次期当主の妻になるのだから。

この先、清良に問われるのは演技力。良家に嫁いだ優雅な夫人のフリをしなければならない。

「そうだ。そうやって堂々としていてくれ」

清良の演技を総司は気に入ってくれたようで、満足そうに笑ってくれる。それを見て幾分か心が楽になった。

敷地の中央には大きな噴水があり、それをぐるっと囲むように車道が敷かれ、玄関まで続いている。

玄関の前で車から降りると、すかさずやってきた使用人が駐車を引き受けてくれた。

ひたすら恐縮して頭を下げる清良だが、総司はひと言「あとを頼む」とスマートに言い放って豪邸の中へ入っていく。

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