カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
それが『恋』であることを当人が自覚しているかどうかは別として。

この秀麗な御曹司が隣に座っているだけで、ドキドキしてたまらないのだ。

「……あの、総司さん。わざわざ院瀬見家に迎えに来てくださってありがとうございました」

当初の予定にはなかった、いわばサプライズ演出。

ひとりの力で鞠花を納得させることはできなかっただろうから、ありがたかった。

「たまたま早く日本に帰ってこられたから、寄ってみたんだ」

どうやら仕事を終えて帰国した直後だったようだ。空港から院瀬見家に直行してくれたのかもしれない。

「お嬢様にいじめられずに済んだか?」

「……多少は罵られましたが、最後はぎゃふんと言わせられましたから」

「役に立てたようでよかったよ。どうせ君は、最後の最後までいじめられているのだろうと思った」

まさか心配して来てくれたのだろうか。それとも、彼が言う通り、本当にたまたま時間が空いたから?

優しさであると願いたいが、あまり彼に期待するのはよくない。

彼は仕事が第一優先だと公言していて、そのための契約結婚だ。

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