カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「天羽マネージャーがお尻を叩いてくれるおかげで助かるよ」

もちろん言葉のあやで、清良はマネージャーではないし先輩のお尻を叩くなんておこがましいことはしない。茶化されているだけだ。

「そんなことより、早く終わらせてしまいましょう。今日、美容院行くんですよね? 残業できないんですから」

「やば! そうだった!」

どうやら自分のプライベートのスケジュールも忘れていたらしい。今日は表参道にあるカリスマ美容師のカットを予約したと自慢していたのに。

「今回の更新内容、このフォルダに置いておきますね。事例はここに。後半は新規の事案ですので、資料の後ろに追加してもらうとして、変更部分に関しては――」

清良がテキパキと主導していくのを仲根はぼんやりと見守っている。

「優秀な後輩がいると怠けちゃうわねー」

開き直って怠けようとする先輩に、清良は眉をしかめる。

しかし、先輩への不満より、優秀と言われた喜びのほうが勝ってしまうのだから、自分を手のひらの上で転がすのはさぞ簡単だろうなぁと苦笑した。


< 96 / 262 >

この作品をシェア

pagetop